東京都暴力団排除条例

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東京都暴力団排除条例を公布する。
東京都暴力団排除条例

第一章 総則[編集]

(目的)

第一条 この条例は、東京都(以下「都」という。)における暴力団排除活動に関し、基本理念を定め、都及び都民等の責務を明らかにするとともに、暴力団排除活動を推進するための措置、暴力団排除活動に支障を及ぼすおそれのある行為に対する規制等を定め、もって都民の安全で平穏な生活を確保し、及び事業活動の健全な発展に寄与することを目的とする。


(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 暴力的不法行為等 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。以下「法」という。)第二条第一号に規定する暴力的不法行為等をいう。
二 暴力団 法第二条第二号に規定する暴力団をいう。
三 暴力団員 法第二条第六号に規定する暴力団員をいう。
四 暴力団関係者 暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者をいう。
五 規制対象者 次のいずれかに該当する者をいう。
イ 暴力団員
ロ 法第十一条の規定による命令を受けた者であって、当該命令を受けた日から起算して三年を経過しないもの(イに該当する者を除く。)
ハ 法第十二条又は第十二条の六の規定による命令を受けた者であって、当該命令を受けた日から起算して三年を経過しないもの
ニ 法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であって、当該指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
ホ 暴力団員との間で、その所属する暴力団の威力を示すことが容認されることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること(以下「利益供与」という。)を合意している者
ヘ 一の暴力団の威力を示すことを常習とする者で、当該暴力団の暴力団員が行った暴力的不法行為等若しくは法第八章に規定する罪に当たる違法な行為に共犯として加功し、又は暴力的不法行為等に係る罪のうち譲渡し若しくは譲受け若しくはこれらに類する形態の罪として東京都公安委員会規則(以下「公安委員会規則」という。)で定めるものに当たる違法な行為で当該暴力団の暴力団員を相手方とするものを行い刑に処せられたものであって、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しないもの
ト 一の暴力団の威力を示すことを常習とする者であって、当該暴力団の暴力団員がその代表者であり若しくはその運営を支配する法人その他の団体の役員若しくは使用人その他の従業者若しくは幹部その他の構成員又は当該暴力団の暴力団員の使用人その他の従業者
チ 第二十九条第一項第二号の規定により公表をされ、当該公表をされた日から起算して一年を経過しない者
六 都民等 都民及び事業者をいう。
七 事業者 事業(その準備行為を含む。以下同じ。)を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人をいう。
八 青少年 十八歳未満の者をいう。
九 暴力団事務所 暴力団の活動の拠点となっている施設又は施設の区画された部分をいう。
十 暴力団排除活動 次条に規定する基本理念に基づき、暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより都民の生活又は都の区域内の事業活動に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。


(基本理念)

第三条 暴力団排除活動は、暴力団が都民の生活及び都の区域内の事業活動に不当な影響を与える存在であるとの認識の下、暴力団と交際しないこと、暴力団を恐れないこと、暴力団に資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として、都、特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)並びに都民等の連携及び協力により推進するものとする。


(適用上の注意)

第四条 この条例の適用に当たっては、都民等の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

第二章 暴力団排除活動の推進に関する基本的施策等[編集]

(都の責務)

第五条 都は、都民等の協力を得るとともに、法第三十二条の二第一項の規定により東京都公安委員会(以下「公安委員会」という。)から東京都暴力追放運動推進センターとして指定を受けた公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター(以下「暴追都民センター」という。)その他の暴力団排除活動の推進を目的とする機関又は団体(以下「暴追都民センター等」という。)との連携を図りながら、暴力団排除活動に関する施策を総合的に推進するものとする。


(都の行政対象暴力に対する対応方針の策定等)

第六条 都は、法第九条第十五号から第二十号までに掲げる行為その他の行政対象暴力(暴力団関係者が、不正な利益を得る目的で、地方公共団体等の行政機関又はその職員を対象として行う違法又は不当な行為をいう。)を防止し、都の職員の安全及び公務の適正かつ円滑な執行を確保するため、具体的な対応方針を定めることその他の必要な措置を講ずるものとする。


(都の事務事業に係る暴力団排除措置)

第七条 都は、公共工事その他の都の事務又は事業により、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、都が締結する売買、貸借、請負その他の契約(以下「都の契約」という。)及び公共工事における都の契約の相手方と下請負人との契約等都の事務又は事業の実施のために必要な都の契約に関連する契約(以下この条において「関連契約」という。)に関し、当該都の契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するなど、暴力団関係者の関与を防止するために必要な措置を講ずるものとする。

2 都は、都の契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるものとする。

一 当該都の契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、都は催告することなく当該都の契約を解除することができること。
二 関連契約の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、都は当該都の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他の必要な措置を講ずるよう求めることができること。
三 前号の規定により必要な措置を講ずるよう求めたにもかかわらず、当該都の契約の相手方が正当な理由なくこれを拒否した場合には、都は当該相手方を都の契約に関与させないことができること。

3 都は、前項第一号に掲げる内容の特約を定めた都の契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該都の契約を解除するよう努めるとともに、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めるものとする。

4 都は、第二項第二号及び第三号に掲げる内容の特約を定めた都の契約に係る関連契約の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該都の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他の必要な措置を講ずるよう求めるとともに、当該相手方が正当な理由なくこれを拒否したときは、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めるものとする。

5 都は、前二項に規定する措置を講じた場合には、当該措置の理由、期間等を公表するとともに、国及び区市町村に対して通知するものとする。


(広報及び啓発)

第八条 都は、都民等が暴力団排除活動の重要性について理解を深めることにより暴力団排除活動の気運が醸成されるよう、暴追都民センター等と連携し、広報及び啓発を行うものとする。


(都民等に対する支援)

第九条 都は、都民等が暴力団排除活動に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むことができるよう、暴追都民センター等と連携し、都民等に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。


(青少年の教育等に対する支援)

第十条 都は、青少年の教育又は育成に携わる者が第十六条に規定する措置を円滑に講ずることができるよう、暴追都民センター等と連携し、職員の派遣、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。


(区市町村との協力)

第十一条 都は、区市町村が、暴力団排除活動のための施策を円滑に講ずることができるよう、情報の提供、助言その他の必要な協力を行うものとする。


(暴力団からの離脱促進)

第十二条 都は、暴力団員の暴力団からの離脱を促進するため、暴追都民センター等と連携し、情報の提供、指導、助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(請求の援助)

第十三条 公安委員会は、暴力団事務所の使用の差止めの請求、暴力団員の犯罪行為により被害を受けた者の当該暴力団員に対する損害賠償請求その他の暴力団員に対する請求であって暴力団排除活動に資すると認められるものをし、又はしようとする者に対し、当該請求に関し、暴追都民センターと連携して、情報の提供その他の必要な援助を行うよう努めるものとする。


(保護措置)

第十四条 警視総監は、暴力団排除活動に取り組んだこと等により暴力団又は暴力団員から危害を受けるおそれがあると認められる者(以下「保護対象者」という。)に対し、警察官による警戒活動その他の保護対象者の安全で平穏な生活を確保するために必要な措置を講ずるものとする。


第三章 都民等の役割[編集]

(都民等の責務)

第十五条 都民等は、第三条に規定する基本理念に基づき、次に掲げる行為を行うよう努めるものとする。

一 暴力団排除活動に資すると認められる情報を知った場合には、都又は暴追都民センター等に当該情報を提供すること。
二 都が実施する暴力団排除活動に関する施策に参画又は協力すること。
三 暴力団排除活動に自主的に、かつ、相互に連携して取り組むこと。


(青少年に対する措置)

第十六条 青少年の教育又は育成に携わる者は、青少年が、暴力団が都民の生活等に不当な影響を与える存在であることを認識し、暴力団に加入せず、及び暴力団員による犯罪の被害を受けないよう、青少年に対し、指導、助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(祭礼等における措置)

第十七条 祭礼、花火大会、興行その他の公共の場所に不特定又は多数の者が特定の目的のために一時的に集合する行事(第二十一条第四号において「祭礼等行事」という。)の主催者又はその運営に携わる者は、当該行事により暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、当該行事の運営に暴力団又は暴力団員を関与させないなど、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


(事業者の契約時における措置)

第十八条 事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。

2 事業者は、その行う事業に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。

一 当該事業に係る契約の相手方又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該事業者は催告することなく当該事業に係る契約を解除することができること。
二 工事における事業に係る契約の相手方と下請負人との契約等当該事業に係る契約に関連する契約(以下この条において「関連契約」という。)の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団関係者であることが判明した場合には、当該事業者は当該事業に係る契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他の必要な措置を講ずるよう求めることができること。
三 前号の規定により必要な措置を講ずるよう求めたにもかかわらず、当該事業に係る契約の相手方が正当な理由なくこれを拒否した場合には、当該事業者は当該事業に係る契約を解除することができること。


(不動産の譲渡等における措置)

第十九条 都内に所在する不動産(以下「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。以下「譲渡等」という。)をする者は、当該譲渡等に係る契約を締結するに当たり、当該契約の相手方に対し、当該不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努めるものとする。

2 不動産の譲渡等をする者は、当該譲渡等に係る契約を書面により締結する場合には、次に掲げる内容の特約を契約書その他の書面に定めるよう努めるものとする。

一 当該不動産を暴力団事務所の用に供し、又は第三者をして暴力団事務所の用に供させてはならないこと。
二 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明した場合には、当該不動産の譲渡等をした者は、催告することなく当該不動産の譲渡等に係る契約を解除し、又は当該不動産の買戻しをすることができること。


(不動産の譲渡等の代理又は媒介における措置)

第二十条 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、自己が譲渡等の代理又は媒介をする不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることの情を知って、当該不動産の譲渡等に係る代理又は媒介をしないよう努めるものとする。

2 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者は、当該譲渡等をする者に対し、前条の規定の遵守に関し助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


第四章 禁止措置[編集]

(妨害行為の禁止)

第二十一条 何人も、次の各号のいずれかに該当する行為を、当該行為を行い、若しくは行おうとする者(当該行為に係る事務を行う者を含む。以下この条において「行為者」という。)又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該行為者と社会生活において密接な関係を有する者(以下「行為者等」という。)を威迫し、行為者等につきまとい、その他行為者等に不安を覚えさせるような方法で、妨害してはならない。

一 暴力団から離脱する意思を有する者又は離脱した者に対し、その離脱を援助するため、雇用機会を提供し、就労をあっせんし、又は住居若しくは資金の提供を行う行為
二 都民等が所有し、占有し、又は管理する施設のうち、不特定又は多数の者の利用に供するものであって、暴力団員による利用を制限しているものについて、暴力団員による利用を拒絶する行為
三 青少年が暴力団に加入すること又は青少年が暴力団員による犯罪の被害を受けることを防止するために指導、助言その他の必要な措置を行う行為
四 祭礼等行事について、暴力団又は暴力団員が当該行事の運営に関与すること又は当該行事に参加することを拒絶する行為
五 事業者が、その事業に係る契約において定められた第十八条第二項各号に掲げる内容の特約により、当該事業に係る契約を解除し、又は当該契約の相手方に対して必要な措置を講ずるよう求める行為
六 不動産の譲渡等をした者が、当該譲渡等に係る契約において定められた第十九条第二項第二号に掲げる内容の特約により、当該不動産の譲渡等に係る契約を解除し、又は当該不動産を買い戻す行為
七 不動産の譲渡等の代理又は媒介をする者が、当該不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることの情を知った場合において、当該不動産の譲渡等の代理又は媒介をすることを拒絶する行為
八 第二十四条第一項又は第三項の規定により禁止されている利益供与を拒絶する行為
九 第二十五条第二項の規定により禁止されている自己の名義を利用させることを拒絶する行為


(暴力団事務所の開設及び運営の禁止)

第二十二条 暴力団事務所は、次に掲げる施設の敷地(これらの用に供せられるものと決定した土地を含む。)の周囲二百メートルの区域内において、これを開設し、又は運営してはならない。

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(大学を除く。)又は同法第百二十四条に規定する専修学校(高等課程を置くものに限る。)
二 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第二条第一項に規定する家庭裁判所
三 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設若しくは同法第十二条第一項に規定する児童相談所又は東京都安全・安心まちづくり条例(平成十五年東京都条例第百十四号)第十九条の規定に基づき同法第七条に規定する児童福祉施設に類する施設として東京都規則で定めるもの
四 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)第一条に規定する少年院又は同法第十六条に規定する少年鑑別所
五 社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第二十条に規定する公民館
六 図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する図書館
七 博物館法(昭和二十六年法律第二百八十五号)第二条第一項に規定する博物館
八 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第二十九条に規定する保護観察所
九 前各号に掲げるもののほか、特にその周辺における青少年の健全な育成を図るための良好な環境を保全する必要がある施設として公安委員会規則で定めるもの

2 前項の規定は、同項の規定の施行又は適用の際に、現に運営されている暴力団事務所については、適用しない。ただし、一の暴力団のものとして運営されていた暴力団事務所が、他の暴力団のものとして開設され、又は運営される場合には、この限りでない。


(青少年を暴力団事務所へ立ち入らせることの禁止)

第二十三条 暴力団員は、正当な理由なく、青少年を自己が活動の拠点とする暴力団事務所に立ち入らせてはならない。


(事業者の規制対象者等に対する利益供与の禁止等)

第二十四条 事業者は、その行う事業に関し、規制対象者が次の各号のいずれかに該当する行為を行うこと又は行ったことの対償として、当該規制対象者又は当該規制対象者が指定した者に対して、利益供与をしてはならない。

一 暴力的不法行為等
二 当該規制対象者が暴力団員である場合において、当該規制対象者の所属する暴力団の威力を示して行う法第九条各号に掲げる行為
三 暴力団員が当該暴力団員の所属する暴力団の威力を示して行う法第九条各号に掲げる行為を行っている現場に立ち会い、当該行為を助ける行為

2 規制対象者は、事業者が前項の規定に違反することとなることの情を知って、当該事業者から利益供与を受け、又は当該事業者に当該規制対象者が指定した者に対する利益供与をさせてはならない。

3 事業者は、第一項に定めるもののほか、その行う事業に関し、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなることの情を知って、規制対象者又は規制対象者が指定した者に対して、利益供与をしてはならない。ただし、法令上の義務又は情を知らないでした契約に係る債務の履行としてする場合その他正当な理由がある場合には、この限りでない。

4 規制対象者は、事業者が前項の規定に違反することとなることの情を知って、当該事業者から利益供与を受け、又は当該事業者に当該規制対象者が指定した者に対する利益供与をさせてはならない。


(他人の名義利用の禁止等)

第二十五条 暴力団員は、自らが暴力団員である事実を隠蔽する目的で、他人の名義を利用してはならない。

2 何人も、暴力団員が前項の規定に違反することとなることの情を知って、暴力団員に対し、自己の名義を利用させてはならない。


第五章 違反者に対する措置等[編集]

(報告及び立入り)

第二十六条 公安委員会は、この条例の施行に必要があると認める場合には、この条例の施行に必要な限度において、事業者、規制対象者その他の関係者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又は警察職員に事業所、暴力団事務所その他の施設に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする警察職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。


(勧告)

第二十七条 公安委員会は、第二十四条又は第二十五条の規定に違反する行為があると認める場合には、当該行為を行った者に対し、第二十四条又は第二十五条の規定に違反する行為が行われることを防止するために必要な措置をとるよう勧告をすることができる。


(適用除外)

第二十八条 第二十四条第三項又は第二十五条第二項の規定に違反する行為を行った者が、前条の規定により公安委員会が勧告を行う前に、公安委員会に対し、当該行為に係る事実の報告又は資料の提出を行い、かつ、将来にわたってそれぞれ違反する行為の態様に応じて第二十四条第三項又は第二十五条第二項の規定に違反する行為を行わない旨の書面を提出した場合には、前条の規定を適用しない。


(公表)

第二十九条 公安委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その旨を公表することができる。

一 第二十三条の規定に違反する行為を行った者が、次条第三項又は第四項の規定による命令を受けた場合
二 第二十四条第一項又は第二項の規定に違反した事実に基づき第二十七条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告を受けた日から起算して一年以内に、正当な理由なく、再び第二十四条第一項又は第二項の規定に違反する行為を行った場合
三 第二十四条第一項又は第二項の規定に違反した事実に基づき第二十七条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告を受けた日から起算して一年以内に、正当な理由なく、第二十四条第三項の規定に違反して、相当の対償のない利益供与その他の不当に優先的な利益供与をした場合、又は同条第四項の規定に違反して、相当の対償のない利益供与その他の不当に優先的な利益供与を受け、若しくはさせた場合
四 第二十四条第三項又は第四項の規定に違反した事実に基づき第二十七条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告を受けた日から起算して一年以内に、正当な理由なく、第二十四条第一項又は第二項の規定に違反する行為を行った場合
五 第二十四条第三項又は第四項の規定に違反した事実に基づき第二十七条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告を受けた日から起算して一年以内に、正当な理由なく、第二十四条第三項の規定に違反して、相当の対償のない利益供与その他の不当に優先的な利益供与をした場合、又は同条第四項の規定に違反して、相当の対償のない利益供与その他の不当に優先的な利益供与を受け、若しくはさせた場合
六 第二十五条の規定に違反した事実に基づき第二十七条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告を受けた日から起算して一年以内に、正当な理由なく、再び第二十五条の規定に違反する行為を行った場合
七 第二十六条第一項の規定により、報告若しくは資料の提出を求められ、又は立入りを受けた者が、同項の報告をせず、若しくは資料を提出せず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
八 前条の規定による事実の報告又は資料の提出を行い、かつ、将来にわたって第二十四条第三項又は第二十五条第二項の規定に違反する行為を行わない旨の書面を提出した者が、前条の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又はそれぞれ提出した当該書面の内容に反して再び第二十四条第三項若しくは第二十五条第二項の規定に違反する行為を行った場合

2 公安委員会は、前項の規定による公表をする場合には、青少年の氏名、住居、容貌等が推知されることのないよう必要な配慮をしなければならない。

3 公安委員会は、第一項の規定による公表をする場合には、当該公表に係る者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。


(命令)

第三十条 公安委員会は、第二十一条の規定に違反する行為を行っている者に対し、当該行為を中止することを命じ、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。

2 公安委員会は、第二十一条の規定に違反する行為を行った者が、行為者等の生命、身体又は財産に危害を加える方法で同条の規定に違反する行為を行うおそれがあると認める場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。

3 公安委員会は、第二十三条の規定に違反する行為を行っている者に対し、当該行為を中止することを命じ、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。

4 公安委員会は、第二十三条の規定に違反する行為を行った者が、更に同条の規定に違反する行為を行うおそれがあると認める場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。

5 公安委員会は、前条第一項第二号の規定による公表に係る者が、当該公表の日から起算して一年以内に、更に第二十四条第一項又は第二項の規定に違反する行為を行った場合には、当該行為を行った者に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条第一項又は第二項の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。


第六章 雑則[編集]

(委任)

第三十一条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。


(公安委員会の事務の委任)

第三十二条 公安委員会は、第三十条第一項又は第三項の規定による命令を警察署長に行わせることができる。


第七章 罰則


(罰則)

第三十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

一 第二十二条第一項の規定に違反して暴力団事務所を開設し、又は運営した者
二 第三十条第一項、第二項又は第五項の規定による命令に違反した者

2 第三十条第三項又は第四項の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


(両罰規定)

第三十四条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為を行った場合には、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。

2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為について法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。


附 則[編集]

(施行期日)

第一条 この条例は、平成二十三年十月一日から施行する。


(検討)

第二条 この条例の施行後五年以内に、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認める場合には、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

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